前回のコラムでは、恵美さんのドラマティックに進化し続ける人生のカギとなるマインドについて、マインドの大切さに気がついたきっかけや、そこからのアクション、それに伴う変化についてお伝えしました。

今回お届けする後編では、より実践的な「自分にとって幸せな人生」を生きるための奥野恵美流マインドの育て方と、そこから垣間見える人生観に迫ります。

幸せいっぱいに生きる秘訣

欲しいものは自分から動いて手に入れる。このスタンスは、幸せの感じ方にも通じると恵美さんは考えています。日常にあふれる些細な愛や感謝を敏感にキャッチして、たくさんの幸せを感じることが人生を豊かにしてくれるからです。

恵美さんの印象的な言葉のひとつに、「幸せの感度」というものがあります。

それはまさに「今この瞬間から幸せは見出せる」と信じて、何気ない誰かの一言や日常のワンシーン、季節の移り変わりなど些細なものの中に愛おしさや安らぎ、感謝などを感じる、心のセンサーのようなもの。

多くの場合、不幸は具体的で傷みを伴うため明確に認識できますが、幸せはとても曖昧で、感じ方によって大きくも小さくもなり得るものです。

恵美さんは、「今は見過ごしてしまうような小さな幸せも、筋トレのように幸せセンサーを上げていくことで、上手にキャッチできるようになる」と言います。そして、幸せセンサーをどんどん上げていくことで人生が豊かになり、やがて「世間一般の幸せ」ではなく「自分にとっての本当の幸せ」に気がつけるようになるのです。

「もっと多くの女性に、大胆に自分の幸せを掴んでほしい」

そう願う恵美さんが実践している幸せをキャッチするのが上手になるコツのひとつに、「ワクワクの先取り」があります。

言葉の環境のトピックでふれたように、言葉はマインドを変え、未来を作り出します。そんな言葉の力を借りて、「幸せ」という言葉を口にすることで幸せを探し、引き寄せるのだそうです。例えば、「今日は天気が良くて幸せ」と口にしたなら、本当にそんな気持ちが寄り添ってくるように感じられます。

また、ネガティブワードがつい口をついて出てしまったら、それがネガティブワードだったということにきちんと気がついて、3つポジティブな言葉を言うようにすれば、結果としてポジティブワードが︎プラス2になります。

こんなふうにアウトプットすることで、感情はふくらみ、豊かになっていきます。

すぐには実感できないかもしれませんが、人は急には変われないもの。まずやってみて、継続することが大切だと恵美さんは言います。

「自分にとっての幸せ」を見つけるには?

ここまでに「自分らしい幸せ」という言葉が何度か出てきましたが、そもそも「自分らしい幸せ」や、「自分にとっての幸せ」がよくわからないという人もいるでしょう。

恵美さんに、「自分にとっての幸せ」を見つけるにはどうしたらいいと思うか聞いてみました。

その答えは、シンプルに「心が動く瞬間を見逃さないこと」。

心は自ずと動くもの。心が様々な感情によって動く瞬間をきちんと感じることで、自分はどんなことにどんな感情を抱くのかを認識できるようになり、その積み重ねで自分らしさが見えてくるのだと言います。

恵美さんの自分自身に対する信頼の強さは、まさにこうして何事もコツコツ積み立ててきたことの結果。経過と方法を知っているからこそ、積み立ててきたその事実が自信を強め、失う恐怖や執着にとらわれず、感情に素直に生きる原動力になっているのです。

自分のフィルターを通す

「自分らしさとは何か」を見つけることができたなら、次に意識してほしいことは「自分のフィルターを通すこと」だと語る恵美さん。よほど意識しない限り、私たちは思うよりずっと「誰かの常識」にとらわれて生きています。親や目上の人など、例え愛情に基づいたアドバイスや先人の知恵であったとしても、それらが必ずしも自分にとって最善のものであるとは限りません。

大切なのは、必ず自分のフィルターを通して、自分の基準で選択すること。

例えばあなたが新しい環境、新しいチャレンジに向かう時に、止めてくる人がいたとします。その人は本心からあなたを心配し、安全で常識的なアドバイスをくれるかもしれません。でもそれは、その人の経験から語られているものでしょうか。そしてそれは、あなたの未来にとって本当に必要なものでしょうか。

ある人にとっては最高の情報も、捉え方、捉える立場によって、その価値は変わってきます。「自分にとってどうか?」という基準をしっかり持てないということは、自分の人生を誰かに預けてしまうようなものなのです。

自分のフィルターを通してものごとを判断することは、自分を信じることができていないと、とても怖いことに思えるかもしれません。

でも大丈夫。人は誰でも自分をよく見つめることで、自分を好きになることができるのです。例えるなら「昨日、6時に起きるって決めて、ちゃんと起きられた!」このくらい些細なことでも自分で自分を認めることを続けていくことで、思考のクセは変えられると恵美さんは言います。

なかなか乗れなかった自転車に一度乗れるようになったら、その瞬間からもう転び方がわからなくなるように、ポジティブ、ネガティブという思考のクセも変えられるもの。

恵美さんはすっかりポジティブになった今、「ネガティブな思い出はなかなか思い出せないんです」と笑い、「実際のトレーニングより、意識づけが大切な時期もある」と語りました。

「覚悟」に勝るものはない

「どんなに良い方法を知っていても、マインドが整っていないと本末転倒になってしまう」

そう語る恵美さんの真意は、恋愛でも仕事でも生き方でも、ノウハウや小手先のテクニックより、マインドの在り方や覚悟のもち方の方がずっと大切だという経験に基づく強い思いがこめられています。

恵美さんにとって、覚悟とは自分との約束。

身のまわりで起こる様々な出来事をどう受け止めるかによって、人生の質は変わります。そのことを意識して、どんな出来事が起きても「幸転」させることができればハナマル!そんなマインドセットで、今の自分より「なりたい自分」でものごとを選択し、「経験を買おう、とりあえずやってみよう」の精神で行動を積み重ねることで、人生は自分が思う通りに変えられると信じているからです。

そんな恵美さんに、もう頑張れないと思ってしまうことはないのですか?と疑問をぶつけてみました。

「もう頑張れないと思ったときは、まず、ただ逃げたいだけなのか、自分にとってそれがそもそも必要じゃないことなのかを考えます。目標を達成することも大切ですが、時には一度決めたことにとらわれ過ぎずに、潔くやめる決断も重要。自分の価値観はどんどん変わっていくから、そんな時は一度立ち止まって、自分の気持ちに素直に向き合ってみることが大切だと思います」

「やめたい」は、もしかすると方向転換のタイミングのメッセージかもしれないし、そんな時は、他人から逃げたと思われたくないというプライドより、自分の気持ちを優先してやめることの方が、実は勇気が要ることかもしれません。「やめる事」も選択の一つ。変な執着にとらわれずに、いち早く次に進むことの方が大切な時もあります。

忘れてはいけないのは、覚悟とは頑になることではなく、自分の感情に素直に生きる強さと柔軟さをもつことだということ。

「迷っているうちは、覚悟はありません。もっとワガママに、もっと自分らしく生きてほしい。自分を信じてやるんだ!という気持ちが芽生えることで強くなれます」と、エールをこめて想いを語ってくれました。

正しい人生より、楽しい人生

自分らしい本当の幸せを手に入れるためのマインドというテーマに寄せて、たくさんのマインドセットのコツを伝えてくれた恵美さんですが、中でもこのトピックで一番伝えたいのは、「正しい人生より、楽しく、自分らしさを大切にする人生を生きてほしい」というメッセージだと言います。

心に従って生きれば、自分の人生にとって妥協がなくなり、自分がどれだけ狭い思い込みの枠の中に生きていたかに気がつくはず。例えば、大好きな彼に本心では今すぐ電話をしたいと思っているのに、いつの間にか刷り込まれた「いい女=束縛しない女」という思いでガマンしているのだとしたら、それはまさに思い込みの枠の中で妥協して生きていることになります。

実際はどうかなんてやってみなければわからないし、めまぐるしく変わる常識や世間の正しさに翻弄される必要はないのです。その代わり、自分を貫く強さをもつこと。

これは、「人に嫌われることをリスクとするか、自分を押し殺すことをリスクとするかの違い」だと恵美さんは言います。

実際に恵美さんは、自分の思いや欲望に素直になることで、より幅広く自由な人生を生きられるようになり、自分の気持ちを優先することで道が拓けてきました。だからこそ、社会が正しいとする型にはまらず、自分の思いを優先する生き方を選んでほしいと願っているのです。

「本当はこうしたい」そんな気持ちを見て見ぬフリしていると、気がつかないうちに人生に消極的になってしまいます。大切なのは、些細なことでも自分の気持ちに嘘をついて諦めたり無視したりせずに、自分の中に生まれた違和感を見過ごさないこと。

人生には様々な出来事が待ち受けていますが、「絶対幸転させてやる!」と覚悟を決めれば、どんなことにもぶつかれるし、そういった状況を楽しむ余裕だって生まれます。

恵美さんの華々しい人生の節目には、実はいつもこの「幸転力」が強く発揮されていました。

これまでに語られた様々なコツやマインドセットを自分のものにできれば、あなたも自分が望むように人生を幸転できるようになるはず。

あなたの人生の主役はあなた。

臨場感あふれる一度きりの人生を、思い切り楽しみましょう。